皆さんは日々の生活の中で上手くいかないことがあった時、どうしていますか?諦めて他のことに挑戦する人もいるかもしれませんし、我武者羅にでも頑張ってみよう、諦めたらそこで終わりなどと自分を鼓舞して頑張る人もいるかもしれません。
しかし、そういうときほどツボにはまって何も上手くいかない経験はありませんか?
今回は努力が上手く結果につながらずに悩んでいる人にオススメの作品です!
作品情報

- 作者:井上真偽
- 出版社:幻冬舎文庫
- ジャンル:ミステリー
あらすじ
救えるはずの事故で兄をなくした青年・ハルオは、その後悔から救助用のドローンを製作する企業に就職する。
ある日仕事で訪れた障がい者支援都市で巨大地震が起こる。そんな中、「見えない・聞こえない・話せない」という3つの障がいを抱えた1人の女性が建物の中に取り残されてしまう。
救助隊は侵入できず、さらに6時間後には完全に救助不可能という全体絶命の状況の中、ハルオはドローンでシェルターまで誘導することに挑む。
おすすめポイント
主人公・ハルオにとっての「兄」
ハルオは自身が諦めてしまったことで兄を亡くして以降、その後悔から兄の口癖であった「諦めたらそこで終わり」という言葉に執着するようになります。
ハルオにとって「諦めない」理由であった兄の言葉でしたが、救助活動の中で、少しずつその言葉に疑問を感じるように。そんなハルオが最後に気づいた兄の言葉の持つ意味に注目です!
一言で「頑張る」といっても、「何を」「どう頑張るのか」は人それぞれで、言葉の意味は1通りではないのだと実感できるポイントだと思います。
「当たり前」の違い
障がいを持つ女性が1人建物内に取り残されてしまうという今回のケース。はじめは「見えない・聞こえない・話せない」女性をシェルターまで誘導するというこのミッションは、困難を極めるかと思われました。
実際に困難ではあったのですが、ドローンの故障やトラブルの発生などの要因であり、彼女との意思疎通や誘導そのものは比較的スムーズにいきます。私たちでも、地震が起きて1人取り残されたとあってはパニックになる人もいるかもしれません。
しかし、彼女は意外にも落ち着いて行動します。私たちにとって「当たり前でない」暗闇に1人取り残されるという状況は、彼女にとっての「当たり前」の環境と近いものです。
障がい者という括りに限らず、自分の感じる当たり前と他人の感じる当たり前には違うものなのだと実感させられました。
衝撃のラスト
ラスト数ページで明かされる怒涛の伏線回収にも注目です!
すべての点が線でつながって、浮かび上がる人間ドラマは、この小説のテーマの1つでもあった「諦めたらそこで終わり」、逆をいえば「諦めなければ叶う」を体現した、感動作のラストを飾るのにふさわしいラストです。
まとめ
いかがだったでしょうか。自分の限界を感じて行き詰まっている人、上手くいかずに焦っている人にとって、発想の転換になってくれる一作なのではないかと思います。「ただひたすらに頑張る」だけではなく、「自分のできることを精一杯頑張る」ことが大切なのだと実感できる作品です。
行き詰まっている人も、ラストが気になる方も、ぜひ本屋さんで手に取ってみてください!
